看護師の退職届の書き方完全ガイド|例文・提出タイミング・マナーまで解説

はじめに

「退職届って、どうやって書けばいいんだろう…」
「看護師の場合、誰宛に出せばいいの?」

そんなふうに悩んでこのページを開いてくださったのではないでしょうか。

病院やクリニックで働く看護師さんの場合、一般的なビジネス職とは少し事情が違うこともあります。たとえば「退職願」と「退職届」の使い分けだったり、提出先が「看護部長」なのか「院長先生」なのかで迷ったり…。

この記事では、

  • 退職届と退職願の違い

  • 看護師ならではの退職届の書き方とマナー

  • 実際に使える例文テンプレート

  • トラブルを防ぐコツ

など、看護師さん向けに特化してわかりやすくご紹介します🌿

「もう職場には迷惑かけたくない」
「穏やかに円満退職したい」
そんな方に、きっとお役に立てる内容になっています。

今の職場を離れる決断をしたあなたが、スムーズに新しい一歩を踏み出せますように。
まずは、退職願と退職届の違いから一緒に確認していきましょう◎

 

 

第1章|退職届と退職願の違いとは?

「退職届」と「退職願」、似ているようでじつは意味が違うってご存じでしたか?
病院で働く看護師さんも、提出の前にこの違いはしっかり理解しておくのがおすすめです◎

 

▶ 退職願=あくまで“お願い”

「退職させていただきたいと存じます」といった表現で、
まだ退職が確定していない状態で出すのが「退職願」です。

たとえば、

「●月●日付で退職したいのですが…」

と、上司に相談した段階で「では一度、退職願を出してください」と言われるケースも。
このときはまだ“申請”の段階。会社(病院側)が承諾することで、退職が成立します。

 

▶ 退職届=退職の意思が“確定”したもの

一方、「退職届」は

「●月●日をもって退職します」
という意思をはっきり伝えるための書類。

病院側に了承されるかどうかに関わらず、法的には一方的に有効となるのが特徴です。

特に正職員として勤務している看護師さんの場合は、口頭での退職申出のあと、退職届を提出する流れが一般的です。


▶ 看護師はどっちを出せばいいの?

結論から言うと、「退職届」だけでOKなケースがほとんどです。

ただし、勤務先によっては

  • 「まずは退職願を出してください」

  • 「退職届は書式指定のものを使ってください」
    など、就業規則や院内ルールが決まっている場合もあります。

提出前に、就業規則や所属長への確認をしておくと安心です◎

 

第2章|看護師の退職届に必要な基本項目と書き方

退職届って、普段なかなか書く機会がないからこそ、
「何を書けばいいの?」「形式ってあるの?」と迷ってしまいますよね。

この章では、看護師さんが提出する退職届の基本的な書き方と、
病院で働くからこそ気をつけたいポイントを、順を追ってお伝えします◎

 

① 退職届は手書き?パソコンでもOK?

  • 基本は 白い無地のA4用紙1枚 に記載

  • 縦書き・手書きが最も丁寧な印象になりますが、
     最近ではパソコンで横書きでも問題ない職場も増えています

\迷ったらこれ!/

✔︎ 就業規則に指定があるか確認
✔︎ なければ、手書き・縦書きで提出すると好印象

 

② 退職届に書く内容(必要項目)

以下の5つをおさえておけばOKです👇

項目内容のポイント
提出日実際に提出する日付。用紙の右上に記載します。
宛名「看護部長 殿」や「病院長 殿」など。正式名称で書くのが◎
所属・氏名所属部署(○階病棟など)とフルネーム、自筆で署名&押印が基本
本文「一身上の都合により、●月●日をもって退職いたします。」が定番
提出者情報用紙の左下に自分の名前・印鑑を入れます(シャチハタは避けましょう)

③ 退職日と提出タイミングの目安

退職届を出す時期は、一般的には

退職希望日の1〜2か月前

が目安です。
ただし、これはあくまで職場ルールによります。

病院の就業規則や雇用契約に「退職の申し出は1ヶ月以上前に」などの記載がある場合も多いので、事前に確認しておきましょう◎


④ 看護師ならではの注意点

  • 「宛名」が医療法人名 or 院長名になっていることもある

  • 所属が病棟、外来、手術室など細かく分かれているので、正式な部署名を書く

  • 印鑑は**朱肉を使う印鑑(認印)**で押すのがマナー(シャチハタNG)

 

⑤ 提出時のマナー

退職届は、いきなり出すものではありません✖

まずは口頭で直属の上司に退職の意思を伝え、了承を得たうえで提出しましょう。

✔︎「勝手に出された」と受け取られると、関係性にヒビが入ってしまうことも

 

 

第3章|看護師向け:退職届の例文・テンプレート

退職届は「ただの形式的な書類」ではなく、
あなたのこれまでの勤務姿勢や、職場への感謝をそっと伝える手紙でもあります。

ここでは、シーン別に加えて【あなたの思いをちょっと添えたいとき】にも使える例文を用意しました◎


書き方に迷っている方も、この中から自分らしい1枚を選んでみてくださいね。

 

📌 基本の例文(再掲・ベーステンプレート)

まずは繰り返しになりますが、すべてのベースになるシンプルな例文から。
迷ったらこれでOKな、スタンダードな退職届です👇

 
令和◯年◯月◯日

○○病院
看護部長 ○○ ○○ 殿

○階病棟
看護師 山田 花子 印

退職届

私儀、
一身上の都合により、令和◯年◯月◯日をもちまして退職いたします。

これまで大変お世話になり、誠にありがとうございました。

以上
 

📝 ポイント

  • 冒頭の「私儀」は「わたくしぎ」と読み、形式として必須。

  • 「私儀」は「私事(わたくしごと)」でもOKです。
  • 「退職します」「退職させていただきます」どちらもOK(職場の雰囲気で選んで◎)

 

🧑‍⚕️ ケース別例文①|子育て・家庭都合による退職

子育てや介護など、ご家庭の事情でやむなく退職する場合の例文です。
少しだけ事情をにじませると、相手の理解も得やすくなります。

 
私儀、
一身上の都合により、令和◯年◯月◯日をもちまして退職いたします。
家庭の事情による退職となりますことをご理解いただけますと幸いです。

これまでのご指導、ご厚情に心より感謝申し上げます。
 

🧘 ケース別例文②|体調不良・心身の不調による退職

健康上の理由で退職する場合、理由はぼかしてもOKです。
あくまで丁寧に、気遣いを込めて。

 
私儀、
一身上の都合により、令和◯年◯月◯日をもちまして退職させていただきます。
体調を考慮し、今後の生活を見直したく決意いたしました。
これまで温かく支えていただき、心より御礼申し上げます。
 

🌱 ケース別例文③|転職が決まっている場合(前向きな退職)

新たな環境へ進むための退職でも、前の職場にはきちんと感謝の気持ちを。

 
私儀、
一身上の都合により、令和◯年◯月◯日をもちまして退職いたします。
新たな環境で挑戦したいという思いから、今回の決断に至りました。

これまでのご指導に深く感謝申し上げますとともに、貴院の今後のご発展を心よりお祈りいたします。
 

✍️ ケース別例文④|どうしても感謝をしっかり伝えたい場合

職場でよくしてもらった・辞めるのが心苦しい…そんなときにおすすめの、少しエモめな文面です。

 
私儀、
一身上の都合により、令和◯年◯月◯日をもちまして退職させていただきたく、ここにお届け申し上げます。

これまで温かいご指導とご配慮を賜り、心より感謝申し上げます。
短い間ではありましたが、多くの学びと支えに恵まれたことに、心から感謝しております。
 

✅ 書くときのチェックリスト(拡充)

✅ チェック項目内容
用紙はA4の白無地便せんやカラフルな紙はNG。白い紙を使用します。
署名は自筆でパソコン作成でも、署名と押印は手書きがベター。
シャチハタはNG認印(朱肉を使うもの)を使用しましょう。
退職日は明記する「〇年〇月〇日」と正確に記載。
敬称ミスに注意「殿」「様」などの使い分けを間違えないように。
 
 

第4章|退職届を提出するベストなタイミングとマナー

退職届は、出し方ひとつで「円満退職」になるかどうかが大きく変わる大切なステップ。
特に看護師さんの場合は、職場の人員体制に直結するため、提出のタイミングとマナーには細やかな配慮が求められます。

ここでは、スムーズに受け取ってもらいやすいタイミングや、気をつけたいマナーについてわかりやすくまとめました◎

 

✅ なぜ提出タイミングが重要なの?

看護の現場は、慢性的な人手不足に悩む職場も多く、
あなたの退職はシフト編成や人員補充に直結する重要事項になります。

💬「急に辞められると困る」
💬「せめてあと1ヶ月いてもらえないか…」

といった声が出やすいのも現実。
スムーズに退職するには、早めに動いて職場に余裕を持たせることがカギです◎

 

📅 提出の目安は「退職希望日の1〜2ヶ月前」

多くの医療機関では、就業規則などに

「退職希望日の1ヶ月前までに申し出ること」
といったルールが明記されています。

 

しかし実際は、2ヶ月前くらいに伝えるのが理想的
理由は👇

  • シフト調整の余裕が生まれる

  • 後任の採用や引き継ぎ期間が確保できる

  • 周囲への配慮が伝わり、印象も◎

 

就業規則は、入職時にもらった就業規程集や院内イントラで確認できます。
わからない場合は、事務や看護主任にこっそり聞いてみましょう。

 

🧾 提出の基本ステップ

退職届は、いきなり出すのではなく、口頭での申し出を先に行うのがマナーです。

 

🔸 一般的な流れ

  1. 直属の上司(師長・主任など)に口頭で退職の意思を伝える

  2. 必要に応じて看護部長や事務長に改めて説明

  3. 了承が得られたら、退職届を提出

※「まずは退職願を書いてください」と言われる場合もあるので、臨機応変に◎

 


🚫 NGな提出タイミングとは?

避けたほうがよい提出タイミングは以下の通り👇

タイミングなぜNG?
夜勤明けや疲労時相手も疲れていて、しっかり話ができないことも
業務が立て込んでいる時間帯急患対応中やカンファレンス中などは避ける
職場全体が忙しい時期インフル流行期・年度末などは配慮を

→ 落ち着いて話せる「勤務前」や「中抜け時」に相談するのがベストです◎

 

🎀 提出時のマナーと心づかい

  • 封筒に入れて提出するのが基本
    白無地の封筒に「退職届」と書いて封入しましょう(封筒にも印字しないこと)

  • 用紙は折らずにクリアファイルで持参すると好印象
    丁寧に持参することで、誠意も伝わります

  • 封筒の表記は縦書きで「退職届」/裏に自分の名前を小さく


💡ちょっとした心がけで円満退職へ

退職は人生の節目。
「立つ鳥跡を濁さず」の気持ちで、誠意を込めて行動することで、
新しいスタートを気持ちよく切ることができます◎

あなたのこれまでのがんばりに感謝されながら、
笑顔で送り出してもらえるよう、準備していきましょう🌸

 

第5章|退職届を受け取ってもらえないときの対処法

「もう辞めようと決めたのに、退職届を受け取ってもらえない…」
「退職を切り出したら、急に態度が冷たくなった…」

そんな声、実は看護師さんの現場ではよくあるんです。

でも大丈夫。
退職はあなたの正当な権利です。
無理に揉めることなく、法律的にもきちんと通せる道があります◎

 

✅ 「退職する権利」は法律で守られています

民法627条では、以下のように定められています👇

期間の定めのない雇用契約(常勤など)は、原則として退職の意思を伝えてから2週間経過すれば終了できる。

つまり、たとえ職場が了承してくれなくても、辞めることはできます。
退職の「承諾」は必要ないんです。

 

😢 よくある“引き止め”パターン

・「人手が足りないからやめないで」
 それとこれとは別。退職は個人の自由です。

・「後任が見つかるまで待って」
 義務ではありません。気持ちは伝えてOKですが、無期限に待つ必要はありません。

・「急に辞められても困る」
 2週間ルールを守れば、法的に問題ありません。

 

「迷惑をかけたくない…」と感じる優しい看護師さんほど、引き止めに応じがちですが、
心と身体をすり減らしてまで残る必要はありません。

 


✅ それでも退職届を受け取ってもらえない場合の対応

  1. 提出記録を残す(手渡しで拒否された場合)
    → 書面での提出を試み、日時・状況をメモしておきましょう

  2. 郵送する(書留・配達証明付きで)
    → 「退職届は受け取られていない」と言われたときの証明になります

  3. 上司以外の窓口に出す(看護部長や事務長など)
    → 直属の上司が強く引き止めるケースでは、さらに上層へ相談を


🚨「音信不通」「退職代行」の最終手段は慎重に

もう限界…という気持ちもわかります。
でも、「バックレ」や「出勤放棄」はトラブルのもと。

どうしても自分では伝えられない・関わりたくない…という場合は、
退職代行サービスを使うのも一つの選択肢です。

とはいえ、費用もかかりますし、タイミングによっては後味が悪くなることも。
できるだけ「自分の言葉」で退職の意思を伝えるほうが、後悔が少ないですよ◎

退職代行に関する記事はこちら↓

【もう失敗しない】看護師が退職代行を使う前に知るべきこと|トラブル事例と対策まとめ


🌸「あなたの人生」です

職場に迷惑をかけないように…と我慢して、
心や身体がボロボロになってしまっては元も子もありません。

辞めることは、逃げではありません。
新しい自分に進む、前向きな一歩です。

あなたのペースで、あなたらしい退職のしかたを選んでくださいね◎

 

第6章|円満退職のためにできること

退職届を出すのはゴールではなく、新しいスタートの第一歩。
せっかくなら「辞めるのにありがとうと言われた」そんな円満退職で締めくくりたいですよね🌷

ここでは、看護師さんが無理なくスムーズに退職するための“ちょっとした心がけ”をご紹介します。

 

✅ 引き継ぎは早めに準備する

  • 退職を申し出たら、すぐに引き継ぎメモの作成を始めましょう

  • 患者さんの情報・物品管理・ルーティン業務など、誰が読んでもわかるように

  • 「最後まで責任感を持ってくれている」と信頼につながります

 

✅ 最後まで勤務態度を崩さない

  • 「もう辞めるから」と気を抜いてしまうと、印象が一気にマイナスに

  • 笑顔や挨拶を心がけるだけで、「あの人がいなくなるのは寂しいね」と言われやすくなります

 

✅ お世話になった方へ感謝を伝える

  • 師長さん、先輩、同期、後輩…

  • 「お世話になりました」の一言は、相手にとって忘れられないプレゼントになります

  • 手書きのメモやちょっとした差し入れも効果的◎


✅ 退職届の“ひと工夫”で印象アップ

  • 本文はシンプルでいいですが、「これまで大変お世話になり…」など一文添えると、丁寧さが増します

  • 素直な感謝の気持ちを少しだけ言葉にすると、相手も受け止めやすいですよ

 

✅ 「立つ鳥跡を濁さず」の気持ちで

退職は後ろめたいことではなく、新しい未来への前向きな選択。
でも最後の1ヶ月を大切に過ごすことで、
「また一緒に働きたいね」と思ってもらえる円満退職につながります。

 

まとめ

  • 看護師の退職届は、基本の形式+心を込めたマナーで十分

  • 提出は1〜2ヶ月前が理想、就業規則の確認を忘れずに

  • 受け取ってもらえなくても、法律上は退職可能。冷静に対処を

  • 最後に感謝を伝えることで、気持ちよく次のステップへ進めます

退職は「終わり」ではなく、新しいスタートの合図。
どうかあなたらしい道を歩んでくださいね🌿

 

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